*当店の場合は『雑誌で見た』あるいは『以前リフォームした人の紹介』がほとんどです始めは、資料請求かアポイントのための電話が入ります。次に、施主訪問といってお客様のご自宅へ伺い、依頼の内容をじっくりお聞きします。要望を聞くのも大切ですが、どのような暮らしをなさっているのかどういう状況にお困りなのか、趣味、好み・・・お茶とコーヒーではどちらを出されるのか等。この段階では、ちょっとしたライフスタイルでさえ大切な情報となります。リフォームのきっかけは、やはり家族構成が変わった、中古で買ったので内部を直したい、使い勝手が悪いなどが、ほとんどですなかには立地が気にいったので新築で購入したが、内部が不満なので直したいというお客様もいらっしゃいます。
*まず、我々の仕事は、お客様が何を求めているのかを引き出すことから始まります。その場合、すぐに訴えるお客様もいるけれど、こちらが質問しなければ何も言い出さないお客様もいらっしゃいます。一番困るのは、ただキッチンをきれいにしたいといっても、その背景にどんな問題があるのかがわからなければ、こちらとしても進めにくいものです。せめて、きっかけとどうしたいかという希望ははっきりなさっていると助かります。ですからお客様自信のイメージを具体化するためにも、雑誌の気に入ったページにポストイットを貼っておくのをお勧めしています。次ぎに困るのは、予算を隠すお客様。もちろん、プランはあくまでも架空のものですから、どの程度の予算があれば自分達の理想が実現するのかを知るいいチャンスだと考えて利用したほうが得です。しかし、仮に予算を200万円と考えているかたに、2000万円のプレゼンをするのはやはり失礼でしょう。限られた予算のなかで、一歩でも理想に近づけるのが我々業者の腕の見せ所ですから、だいたいの予算とやりたいことがわかれば、それに対するベストなプレゼンをお出しできるはずです。まずは、素直に要望を全部打ち明けて、相手のプレゼンを見た上で、予算に合わせて削っていくというのが賢いパターンだと思います。
*相見積は、しかたがないことだし、個人的にはやるべきだと思いますが、我々にすればプレゼンの段階が一番大切なのですから、値段だけではなく、始まる前の熱意などもきちんと見てもらいたいと思います。いきなり『お前の所は高い』と言う方もいらしゃいますが、内容を比べてみると、使う素材のグレードが全然違うことがあります。安くてもチャチなつくりでは、リフォームの意味がないように思います。また、よく『6畳間をフローリングにするにはいくらかかるか』という質問を受けますが、材料は1ヘ−ベイ幾らということは言えても、既存の状態によって違ってくるので、はっきりしたことは言えません。材料にしても、二階ならばクッションのある防音効果の高いものでなければ階下の部屋はうるさくて大変です。そういうことをきちんと考えた見積を、正当に評価していただきたい。ちなみに当店では、契約までの料金は頂いていません。実施プランの見積もり段階では、とにかくコミュニケーションをとることです。家は受注生産ですから、出来上がってみなければ本当のところはわかりません。いくらこちらが図面とまったく同じに造っても、イメージと違うということになれば、それはお互いに不幸。契約迄にどれだけコミュニケーションを取り、お互いに理解しあってプランを練っていくかで、リフォームの成否は決まるといっていいでしょう。<業者と施主>という意識を越えて、一緒に家を造るパートナーと考えられるようになると、良い結果が生まれます。私達も人間ですから<あ、うん>の関係になってくれば、例え予算がなくても『なんとかしてさしあげよう』と思うものです。ときには入れ込んで儲けを二の次にしてしまうこともあります。業者を選ぶとき、プランと同じように相性が大切といわれるのは本当だと思います。
*『打ち合わせはじっくりと、工事は早く確実に』が安くあげるコツ。ですから、私は基本的に住みながらの工事はお勧めしません。もちろん、壊す規模によってケースバイケースですから、設備をいじらない部分的なリフォームなら適していると思います。しかし、全面改造では確実に割高になりますし、なにより解体が始まるとほこりがすごくて、他の部屋にも影響しますから、そのなかで生活するのは大変ですよ。今後も使う荷物はトランクルームに預け、人間は親戚の家や旅行などでどこかへ行くと言うのが理想です。要らないものは置いていけば、解体した廃材と一緒に処分します。職人が家具をどかしながら作業するのは非効率ですから、いじらない部屋があるなら、必要な家具は移動しておくほうがいいにきまってます。以前、『寝るだけでいいから』というお客様がいらっしゃいました。いじらない部屋には荷物がいっぱいで一畳程しかスペースはありませんでしたが、男性1人が、まさに夜寝るだけでしたので、スムーズにいきました。逆のケースでは、現場へ行ったら職人が食器を洗っていたというのがあります。どうしたのか聞いたら、家の人が朝食の後かたずけをしないで出かけてしまい、作業が出来ないから洗っているとの事。これは無駄だしお互いのマナーとして・・・とにかく、工事を早く終わらせる為には、何もない部屋が一番に決まっていると心掛けて下さい。
*リフォームとは、家を徹底的にくつろげる空間にすることだと思います。また、リフォームは、空間だけでなく生活そのものを見つめ直す機会ですから、『使える物は使う、許せない物は捨てる』という作業をして、生活パターンや好みをより充実させることも大切です。ですから私達は、お客様それぞれの生き方に合った最高のくつろぎ空間を見つけだし、そこにしつらえるのはどういうものかということも、同時に考えてご提案しています。また、お客様が設備メーカーのショールームなどを見るツアーにも参加し、窓まわりから食器迄住まい全体をコ−ディネイトするお手伝いもします。特にインテリアでは自然素材のものをおすすめします。それは、自然のものには心を安らかにする力があるからです。年月が経てば家は退化しますが、人間は進化します。若い頃はメタリックなものを好んでいても、ほとんどの人が自然素材に魅力を感じるようになります。リフォームをする方はたいていそういう年代に差し掛かっていて、ご自身の将来のことを考えて、自然素材、(特に木)を使った落ち着いたくつろげる雰囲気を求められます。私自身のリフォームもそうでした。木は生きていますので、通風が悪ければカビが生え、乾燥し過ぎれば反りもします。木に悪い物は、人間の体にも、家にも悪い。木は、私達の生活環境のバロメーターでもあるのです。ダニ問題にしても、こんなに騒がれるようになったのは、ダニではなく人間が変わったから。つまり、掃除をしなくなったからです。締め切った部屋で冷暖房をかけつづけるよりも、風通しを良くし、清潔を心掛ける・・・快適なくらしのための基本を、思い出していただきたい。リフォームは住まいに愛情を持っていただく絶好のチャンスだとおもいます。
*このページは増改築のノウハウ誌『リフォームに成功する本』より引用させていただきました。 
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